【短編】ギター少女とヘビースモーカー


校門の方へ、駆けて行った

い… いた…!!


「こん…の」

私の声に気づいてこっちを見たけど、また何食わぬ顔で上を向いて煙をはいた


「ふ…っざけんなバカ!!」

タバコをくわえてる顔を殴った


タバコが、宙に飛んだ


「いて…」

言いたいことは、山ほどある

でも、それどころじゃない!

もう始まってしまう!!


先生の手を引いて、走った

でも先生の手はあまりにもやる気がなくて、手を離したらついて来そうになかった

だから、ずっと握ったまま、走った


「あんた、何考えてんの!? 12:30って言ったじゃん!!」

マジで、ムカつく

殴ってやって、罵倒して、でも全然足りないくらい


バンドやるって、言ったじゃん

なら責任持ってやってよ!!


「数学…」

…!? はあ!?


「数学、やめんの?」

「は!? 何の話!?」

ポツリとつぶやいた言葉は、意味分かんなくて

でも、すごい重くて


「数学…やめんの?」

重くて、心臓に…響く

「やめんなよ……」



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