ニノウデ



家族が僕のことをどれだけいいこどもだと思っているかは知らないが決していいこではない




朝、家を元気よく



『いってきまーす!』



なんて言って登校するが
大体昼過ぎに腹痛を訴えて早退している。



そして午後は高台にある
廃ビルの屋上で煙草をふかしながらノラ猫と遊んでいる。




煙草を覚えたのは
中学卒業した時期だった




本当の父親の記憶が
煙草の微かなニオイだったからかもしれない




それ以来、煙草が何故だかやめられなかった




おいしいとも
気持ちいいとも思わないが煙を吐き出す瞬間が好きだ



今日も向かいのビルに夕日が隠れて一日が終わる




さて、姉ちゃんが帰ってくる前に家に帰るかな!





またな、ノラ猫





ため息が煙と一緒に空に飛んでいく
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