ニノウデ

猫はただ何も言わず


僕が歩けば歩き出し


僕が止まれば立ち止まった


あの日以来猫に付きまとわれる異常な生活が続いている


授業中に何気なくグランドを見ると、丁寧に顔を洗って毛繕いをしてる


「何なんだよあの猫…」



「お前が何なんだよ雨宮、テスト期間中くらい真面目にノートをとれ!」

先生がいつの間にか真横で腕を組んで立っていた


「……はい」



「お前後で職員室こい」


「えっ!?……今日は塾にいく日なので……」


先生の顔がさらに険しくなっていく


「お前塾なんか行ってないだろ!!」



よくご存知で……
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