ニノウデ




転校初日の二時間目




まさか、教室ではなく教務室にいるとは夢にも思わなかった。




泣きそうな顔で頭を下げるお母さん




だるそうな顔で頭をかいている変態少年




間に挟まれた私は現実逃避を繰り返した。




「お母さん、大丈夫ですよ。娘さんがわざと来なかったわけではないことは十分わかりましたから…」





先生もいっぱいいっぱいだ。確かにお母さんにあんな勢いで泣かれたら誰でもびっくりして怒れなくなってしまう。





そして3時間目ついに自己紹介をすまし、席についたが……すでに変な噂と冷たい視線が痛かった。




その噂とは私と変態少年がカップルで転校初日から屋上で「良からぬ行為」をしてたという最悪な噂。





でも一番気にくわないのは変態少年が隣の席ということ。




打たれ強い私でもこの状況は今にも泣きそうなぐらい辛い
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