ニノウデ
「お母さん、私制服着替えてくるね」
私の部屋は2階の真ん中の部屋。右隣の部屋はお母さんとお父さんの部屋。
左の部屋は『けんじ』の部屋
けんじは私の一個下の弟ということになってる。
私が3才ときに養子にきた。
お父さんとお母さんは私が知らないと思ってるだろうけど、10才のお盆におばぁちゃんとお父さんが話しているのを偶然聞いてしまったのだ。
あれ以来、私の心のもやもやはとれないし
けんじともうまく話せない
けんじはきっと養子だなんて知らないだろうし、知る必要もないと思ってる。
けんじはいつも優しくて、頭が良くて、整形したかと間違われるくらいかっこいい…そして私の初恋の相手はけんじだった
いつも私が家に帰るときまって聞こえるノックの音。
(コンコン)
この音を聞くと家に帰ってきたなぁ〜って実感できる