ニノウデ
(ガチャ)
「姉ちゃんおかえり、転校初日大変だったみたいだね。なんか嫌なことなかった?」
なんでけんじは弟で年下のくせに年上の私を気遣ってくれるんだろう
本当に優しい…
「大丈夫だよ、全然普通だった。友達ももうできたしさ!」
私はけんじの顔が見れなかった、泣き付いてしまいそうだったから
「姉ちゃんが『大丈夫』って言うときは大丈夫じゃないときだよ。なんかあったなら話聞くよ?」
私は反射的にけんじに抱き着いたというより、けんじは手を広げて私が抱き着くのを待ってた
けんじ……あんたに彼女ができたら私きっと生きていけなくなりそうだよ
「…−−そっか、姉ちゃん辛かったね。なんかあったらすぐメールしてよ!授業中でもいつでも駆け付けるから」
「ありがと、けんじ。でも流石に授業中は来れないでしょ!」
けんじは無言で作り笑いしたが、目は本気だった
そんなに優しくされると私はますます彼氏ができる気がしないよ