【短編】空より広く、海より深く
ごそごそしている門倉を
横目で見ると
タバコを探しているようだった。

タバコは4年前に別れた時から
銘柄が変わっていた。

思わずじっと見ていると
視線が交差する。


ドクンとまた心臓が脈打った。


「何歳?その子」

「樹、お兄さんにご挨拶して」

抱えていた樹を下ろし
門倉と向き合わせる。

「…」

初めて見る男性に樹も
緊張しているようだった。








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