【短編】空より広く、海より深く
しかしあの頃
みのりの近くに
恋人らしい男が
いたのだろうか。

それはまったくの
予想外なことで
引っ越した先で結婚したとは
思いもしなかった。


子供を抱いている姿が
まだ信じられなかった。

しかも子供は
自分と同じ名前だ。


何を思って
つけたのだろう。

考えれば考えるほど
いろんなことが
わからなくなる。


大きく息を吐き出して
タバコを消して立ち上がる。


遠くに見える海面は
夕日を浴びて赤や黄色に
キラキラ輝いていた。




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