【短編】空より広く、海より深く
この道のりの先~みのり~
強い日差しが照りつける
夏の午後。

カラッとした暑さ
海から来る穏やかな風。
少し汗ばむくらいが
気持ちよく感じる。


奥の部屋で遊ぶ樹と父を
みのりは縁側に座って
静かに眺めた。

せめて初七日が終わるまでと
父に言われ
そんなに長くは
仕事も休めない為
あと3日残ることにした。

明後日までの
有休は出してきていたので
夕方に帰れば夜には家に着ける。

慌しい気もするが
この家に
1人きりになってしまった
父のことを思うと心が痛む。


樹はやんちゃな時期だが
初孫が嬉しいのか父も張り切って
一緒に遊んでいた。
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