【短編】空より広く、海より深く
慌しい日常からは
想像もつかない。

なんてのんびりした時間だろう。


ここでは時間が流れるのが
ゆったりなのではないかという
錯覚を覚える。


庭のあちこちで
母の手入れしていた
花たちが綺麗に咲いていた。

植木も丁寧に刈り揃え
花壇には草もほとんどない。

主がいなくなった
庭には思えなかった。


よく花壇に入っては怒られた。

母はとても几帳面で
気が強かった。

みのりは母が少し苦手で
うらやましかった。

自分の意思をはっきりと言える
強さを持っていたから。




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