おばかに恋する性悪王子


そのあと、ドキドキしながらもちび女とじいさんの会話を聞く。

結局、じいさんが直してくれるっぽいけど、なぜかちび女も追い出された。


ちび女は、追い出されても、アホみたいにへらへら笑ってる。
その顔を見て、ちび女に迷惑かけて申し訳ないって気持ちがふっとんだんだ。


そーいえば、ちび女が追い出されるとき、じいさんはずっとニヤニヤしながら俺達を見てたけど、俺はなんだかそのニヤニヤした顔を見て、いいことが起こりそうだと直感した。

まぁ、この直感が外れてないと実感するのは、1ヶ月後なんだけどな。



エレベーターを降り、できるだけ一緒にいたかった俺は、ちび女の荷物を持つ。
ちび女はいいよ、なんて言うけど、俺がしたいんだから、任せときゃーいんだっつーの。


でも、なんかいいな、こういうの。

俺が荷物を持ち、ちび女が隣で歩いてる。
よくいるカップルみたいじゃねーか。


そう思うと、急に恥ずかしくなってきた。

真っ赤な顔を見られないよう、早歩きで歩きだす。

当然、ちび女は追いつくのに精一杯で。
身長差あんなにあるもんな。



そう考えていたとき、ちび女に

「待ってよ、沖谷准夜!!」

と、引き止められた。






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