おばかに恋する性悪王子


呼び止められた。

んで、名前呼ばれた。

いや、別に名前呼ぶのは構わないんだけどな…



「………なんでちび、俺のことフルネームで呼ぶんだ??」


「なんでって言われても…」


無言になったちび。
なにか考えてんのかなー、っと声をかけようとした時



「……てか、ちびってなんだよ!?」


今さら否定された。
明らか反応遅いだろ!!



「だっておまえ、身長だけでみたら、中学せ…あ、小学生じゃん」


まぁ、そこが可愛い……

……って何考えちゃってんの、俺!?キモッ!!

俺の葛藤をよそに、ちびは俺に反抗してくる。



「だまれよ、沖谷准夜!!撤回しろ、撤回!!」



撤回しろっつってもなー…
こいつの名前、碧伊留茅っつったっけな??



「んー、じゃあ……留茅??」



なんかちびが気になって、つい名前で呼んじまった!
やべっ、と思ってちびを見ると、口をパクパクさせて、顔を若干赤く染めている。
これは……面白いんじゃね!?



「決めた!!留茅な!!
俺んことはフツーに准夜でいいから。」



俺はニカッと笑う。
こんな面白いリアクションするなら、毎回呼び捨てで呼んでやる。

俺のたくらみをしらないちび…留茅は



「じゃあ、准で…。」



と、遠慮しがちに言ってきた。


「えー、准夜でいいって!」


と反論するも


「は、恥ずかしいから、准でっ!!」



の一点張り。


仕方ないから、俺は准って呼び方で納得してやった。




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