おばかに恋する性悪王子



『ガラッ』

ふぅ……



前を見ると、人影がこっちに向かって来る。



顔を見たくても、電気がついてないから、顔が分からない。






「おばけっ!?」



真っ正面から足を引きずるように歩いてくる人影。

もう、冷や汗がとまらない…




「誰がおばけだ!こらっ!」




月明かりに照らされてうつったのは、准の顔。




あたしは、その顔と声に落ち着いて、喧嘩しているのにも関わらず、抱き着いてしまった。






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