おばかに恋する性悪王子


准夜Side




借り物競争が終わってから、留茅の元気がない。





気になる……








でも、パレードが始まると元気になったような気がして、安心した。






パレードの最後、圭也の奴がキスしろキスしろ!!って言いやがったけど、




出来るわけねーだろ!!




そう思ってたのに。





最後のシーン。
ウェディングドレスを着た留茅はとても可愛くて、何よりも魅力的で。



直視できなくてずっと目をそらしていると、圭也と目が合い……ウインクしてくるし。





その不細工なウインクで余裕を取り戻した俺は、いつもの俺らしく、堂々と自分のやりたいことをやることにした。




近付く俺たちの距離。


留茅が俺になんかいったけど、俺は留茅のことで精一杯で何言ったか覚えてない。


だけど、留茅が慌てているのはわかった。






俺は留茅の顔にかかっているベールを外す。




そして、ゆっくりと背を屈めていったんだ。










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