おばかに恋する性悪王子
それまでは、みんなで恋バナ!
沙菜は、
「今から、圭也君の部屋に行きますっ!!」
って、堂々といってたし、他の子も、
「今日、彼氏と抜け出して、夜のデートするの!」とか、
「今日、告白しに行きます!」とか……
「ところでさ、留茅ちゃんは沖谷君とどうなの?」
えっ、そこあたしに振るの!?
「なんか沖谷君ってオーラ怖いから、一緒にいて疲れない?」
……そんなことないけどな。
ある意味疲れるけど。
「まぁ、それは置いといて、次は留茅ちゃんの番だよ!」
「あたし、恋バナとかないんだよね……」
「えっ!?そうなの!?てっきり、沖谷君と付き合ってんのかと思ってた。」
「ないない。」
「えー、そうなの!?でもやっぱ好きではあるよね??」
「ん、まぁ…。」
恥ずかしくて、そっぽを向きながら小声で話すあたし。
まわりは「キャーッ」って騒ぎはじめた。
うるさっ…。
これだから言いたくなかったんだ。
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