おばかに恋する性悪王子



「ハァッ、ハァッ…」



結構な距離を走って軽く息切れしたあたし。


だいたい、宿屋からコンビニまでが遠いのがいけないんだ。



心の中で文句を言いつつ、落ち着かせようと近くにあったベンチに座る。


さすがにここまで来れば走ってこない限り准も追いつけないでしょ



そう考えて少し休んだあと、もうそろそろ沙菜が心配するかもだから帰ろう…と腰をあげたとき。


後ろから息の切れて霞んだ声とともに、あたしを呼ぶ声が聞こえた。





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