おばかに恋する性悪王子


「ちびを馬鹿にするなっ!!てか、あたしのことなんてほっといてよ!!」



准から離れようと、捕まれた腕をほどこうとするけど、なぜかそのまま両腕で捕獲される形になり、ますます逃げにくくなってしまった。




「おまえこんな時間に一人で歩いてたら危ないに決まってんだろ!!ここらへん不審者多いんだぞっ!!
変態親父にでも捕まったら…。」


「別に、あたしがどーなろうとあたしの勝手じゃん!!」



つい、漏れた言葉。
別にこんなこと言いたかった訳じゃない。
ただ、心配してくれた准に謝ろうと思っただけなのに、プライドがそれを許さない。

自分が嫌で涙が出そうになったとき



「俺が嫌なんだよっ!!」



准の声が響いた。





.
< 71 / 86 >

この作品をシェア

pagetop