おばかに恋する性悪王子


「おまえが俺以外の男に触られんのも、笑ってんのも、全部気にくわねーんだよっ!!」



………??
それって…



「あーっ!!だからっ、俺はおまえが好きだっつってんだっ!!察しろよ馬鹿っ!!」



最後の言葉が准らしくって気に食わないけど、照れているのかあたしを抱きしめている腕をギューッと強める准。



まさか准が自分から、しかもあたしに告白してくるとは思わなくって。

ものすごく嬉しくてフリーズしていると、准の腕が緩んだ。



「おまえが迷惑だって言おうがなんだろうが、ぜってー振り向かせてやっからなっ!!」



振り向かせてやる…か。



「もう遅いよ…。」


「…っ!!」


「振り向いちゃってるもん。」

告白してくれたけれど、准に正面きって"好き"というのは言えなくて。


遠回しな言い方をしたんだ。





.
< 72 / 86 >

この作品をシェア

pagetop