おばかに恋する性悪王子
「――留、留茅っ!!どこいきやがった、あいつ。」
文句を言いながら大声で留茅を呼ぶ。
さんざん走り回ったせいか、それほど暑くないのに息切れと汗がはんぱねぇ。
冷や汗も混ざった汗を腕で拭う。
「留茅っ!!出てこい、この糞ちびっ!!」
「だれが糞ちびだーっ!!」
ふと口に出た言葉。
その言葉に反応して留茅がツッコんできた。
び、びびった…。
でも、みつけられたことに安心して。
………もう逃がさねーかんな。
留茅は、俺と目が会うと一目散に逃げ出した。
あぁ、そういえば喧嘩っぽくなってんだっけな、俺たち。
.