おばかに恋する性悪王子
「おいっ、待てよ馬鹿!!」
俺は呼び止める…けど。
「待てと言われて待つ馬鹿なんているわけないでしょっ、バーカッ!!」
………。
頭にきた。
あいつ、ほんとふざけんなよ!!
俺は走って逃げる留茅を追いかけた。
あいつ、何気に体力あるな…と思いつつも、負けるわけにはいかねー。
俺は尽きかけた体力を振り絞り、留茅を捕まえた。
ぐいっと腕をひく。
バランスを崩したのか、後ろによろけてきた留茅を俺はうけとめた。
「離してよっ!!ってか、離せよ馬鹿っ!!」
「さっきから馬鹿馬鹿うっせーんだよ!!俺より馬鹿なくせしてこのちびっ!!」
なんかいつものノリで会話ができて、安心した。
でも同時に、このままの関係は嫌だと思ったんだ。
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