おばかに恋する性悪王子
「おまえが俺以外の男に触られんのも、笑ってんのも、全部気にくわねーんだよっ!!」
若干遠回しに"好きだ"と伝えてみたけれど、留茅は不思議そうな顔をしている。
なんなんだよ、こいつ、やっかいだなっ!!
俺は半ばヤケになって言った。
「あーっ!!だからっ、俺はおまえが好きだっつってんだっ!!察しろよ馬鹿っ!!」
こんな場所でこんな風に…こんなシチュエーションで言うつもりじゃなかったのに。
何俺、恥ず…。
俺は留茅に絶対顔を見られないように、抱きしめている腕をギューッと強めた。
でも、留茅は何も言わない。
俺の気持ちが…迷惑だったからか??
俺の気持ちに…答えられないからか??
俺は留茅を抱きしめている腕を緩めて、言った。
「おまえが迷惑だって言おうがなんだろうが、ぜってー振り向かせてやっからなっ!!」
はじめての胸の高鳴り。
「もう遅いよ…。」
「…っ!!」
失恋…か。
そう思った…のに。
「振り向いちゃってるもん。」
驚いて留茅を見ると俯いていて。
照れた顔を隠すために俯いてるっぽいけど、耳赤いの見えてんだよばーか。
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