咲いても、枯れても1~サクラ色~
第一章 淡想
高校入学式
───2009年、4月
桜が雪のように、
はらはらと美しく散る。
ついに、今日が来た。
『白純美~!!』
名前を呼ばれて振り返る。
桜の中、見える新品の制服姿。
『あ、恵か…』
『なにぼーっとしてんのよ。早く行くよ!!』
私は恵に手を引かれ、桜の中を歩いた。
この春から、南高校1年生。
私、成宮白純美と
なりみや はすみ
吉永恵は、
よしなが めぐみ
同じ志望校に合格した。
中学の時からの仲良しで、合格発表の日は二人で泣いて喜んだ。
『白純美、ほら~リボン曲がってる!!』
そして今日は入学式。
南高校にはたくさんの桜の木が並んでいる。
ソメイヨシノ、ヤマザクラ…
私はつい、その数に圧倒されてしまった。
『帰りにゆっくり見よう?』
『う、ん…』
恵に引かれるまま、体育館に向かう。