咲いても、枯れても1~サクラ色~
『俺の、傍に居て』
さっき、聞いたわよ。
傍に、貴方の傍に。
居たいと思うから、貴方の家まで付いてきたのよ?
『居るわよ、ずっと。私は拓の傍に』
私がそう言うと、拓は優しく腕を離した。
そうした後、一度口を閉じて、真剣な表情をした。
抱きしめなくても、肩をしっかりと掴んでいる。
ドキドキする。
絶え間なく激しく動く心臓が、本当にうるさい。
拓に、聞こえてないわよね?
『白純美、俺は─────』
その、続きを。
『兄さま?』
不意に、誰かの声がかかる。
に、兄さま?
───ってことは、この声の主は!!!!!!