咲いても、枯れても1~サクラ色~




『俺の、傍に居て』





さっき、聞いたわよ。



傍に、貴方の傍に。





居たいと思うから、貴方の家まで付いてきたのよ?





『居るわよ、ずっと。私は拓の傍に』




私がそう言うと、拓は優しく腕を離した。




そうした後、一度口を閉じて、真剣な表情をした。



抱きしめなくても、肩をしっかりと掴んでいる。





ドキドキする。




絶え間なく激しく動く心臓が、本当にうるさい。



拓に、聞こえてないわよね?






『白純美、俺は─────』





その、続きを。






『兄さま?』





不意に、誰かの声がかかる。




に、兄さま?



───ってことは、この声の主は!!!!!!





< 108 / 279 >

この作品をシェア

pagetop