咲いても、枯れても1~サクラ色~
話を変えようと、口を開く。
『ね、ねえ…』
『さくら』
けれど、すぐに遮られてしまう。
どうしても話したいこと、そんな気がする。
急に、真剣な表情に変わったから。
『なあに?』
拓はそれっきり、口を開かない。
ぴくりともせずに、ただ一点を見つめている。
しばらく沈黙が続いた。
そして、やっと拓が視線をこちらに向けた。
でも、その瞳は時折、私から外れる。
──────揺れて、いる。
貴方らしく、ないわよ。