咲いても、枯れても1~サクラ色~
貴方の桜に
こちらを見つめる拓の瞳が、私を捕らえる。
水色と、黒を纏って。
『……誰なんだ?』
『え?』
うまく、聞き取れなくて、拓の方に席を移る。
隣に座って、拓の顔を見る。
尚、揺れている。
『もう一度、言って?』
少し間を置いてから、再び口を開く。
『さくらと…よく喧嘩をするというのは、誰なんだ?』
予想もしなかった、問い。
よく喧嘩する、相手。
──────海斗。
なぜそんなことを聞くの?
そう尋ねなくとも、なんとなく分かる。