咲いても、枯れても1~サクラ色~
──────私と、同じ?
嫉妬を、してくれてるの?
ただの喧嘩相手、それだけなのに?
『た、ただの友達よ…。席が近いから─…』
あ、と思った時には、すでに拓の腕の中。
別に、離れようともする訳はないけれど、絶対に離れられないくらい、強い力。
どうしたら良いのか、分からずに、そのまま身を拓に委ねる。
どうしようもなく、切ない。
拓は、その口から何とも言わない。
どう思っているのか、わからない。
嫉妬しているかもしれない、なんて私の思い過ごしかもしれない。
──────私の願望なのかもしれない。
そう思うと、ますますどうしたら良いのかわからなくなる。
ただ、ガラス越しに見える桜が、ハラハラと柔らかく散る。
儚さを伴って、桜色に。