咲いても、枯れても1~サクラ色~




纏うオーラが、優しくなった。

黒ではなく、水色でもなく、




サクラ色。





貴方の儚さを、私が確かなものにしたい。



私の赤で、燃える赤で。





『白純美、大事にする』




そう言って、私の黒髪を撫でる。


それだけで、切なくなる。




触れてもらえた、だけで。




触れただけで、熱くなる髪が、この想いを叫ぶ。





拓がたまらなく大好き、と。







『白純美が欲しい』




そう言って、私を抱き抱えて、ベッドまで運ぶ。





夕日に染まった、ベッドに。



恥ずかしいとか、そういう感情は全く無かった。





ただ、拓のもっと傍に居たい、と願う気持ちが、胸の中を支配する。





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