咲いても、枯れても1~サクラ色~
『白純美が欲しい』
もう一度、繰り返した。
さっきよりも、はっきりと。
その両手は、既に私に触れている。
その手に、捕らえられている。
『あげるわよ…だって私は、あなたの───』
貴方の桜、なんだから。
口を塞がられる。
柔らかい、桜で。
慈しむように、何度も。
その愛を、叫んで。
その手に堕ちる私も、大好きよ、と身体中で叫んで。
───夕闇に呑み込まれる。
桜も、同じように夕闇の手に堕ちていった。