咲いても、枯れても1~サクラ色~
『だ、大丈夫です。それで、頼稜さん…』
『拓様は、今、父上様と母上様とお話をしております』
びっくりして、口をパクパクしてしまう。
なぜ、私が尋ねようとしたことを…。
拓はどこ?、と尋ねようとしたことが、分かるの?
『あの、頼稜さん…なんで…』
『白純美様は、お顔に出やすい方ですね』
『え?』
『拓様のこと、考えていらっしゃるのは、私に見え見えでございます』
ニコッと笑う美形に、何も言い返せなくなる。
さすが、と言うべき?
それより、私、顔に出てしまっているのかしら…?
そう思って、急に恥ずかしくなる。
と同時に、頼稜さんには隠し事出来ないわ、と思う。