咲いても、枯れても1~サクラ色~
『はい。拓様とは、何度も白純美様の話をしました』
頼稜さんは、ニコニコと笑う。
きっと私が次に尋ねる言葉は、分かりきっているでしょうね。
『どんな、話をしたの?』
頼稜さんは、楽しそうにまた笑った。
『白純美様は、とても素直でございますね』
顔が、かあっと赤くなる。
私、そんなに素直かしら?
拓も、頼稜さんまで!!!!
赤くなった私を見て、頼稜さんは満足そうに笑って、言葉を続けた。
『お話、といいますか…』
『え?』
『拓様が、一方的に白純美様のお話をされるんです。私は、ただ頷いて聞いていただけ』
『拓が…?』
『はい。白純美様と私が初めてお会いした時、あれ以来毎日、白純美様のお話をされてましたよ。とても、楽しそうに』
聞いて、嬉しくなる。
あの時から、拓の中には私が存在していたんだ、と。
胸に沸き上がる、想い。
大好きだ、と。
たまらなく、誰よりも。