咲いても、枯れても1~サクラ色~
『ですが、白純美様』
『はい?』
『誰もが皆、賛成という訳ではございませぬ』
誰もが皆、賛成ではない。
それは、当たり前よ。
私と拓には、大きな格差があるのだから。
そんなこと考えたくない、と思っても、現実は変わらない。
大きな隔たり、は。
『わかってるわ。私と拓では、居るべき場所が違うもの』
しばらく、二人共、黙ってしまった。
沈黙が、重い。
『白純美様、お誓い下さい』
唐突に落ちた言葉に、目を見張る。
誓う?何を?
『何があっても、拓様のお側を離れない、と。その手を離さない、と』
頼稜さんは、今までのにこやかな笑顔とは裏腹に、とてつもなく真剣な瞳をしていた。