咲いても、枯れても1~サクラ色~
『もうっ!白純美、どうしたの?!』
『海斗もどうしたんだよ?周りに迷惑だろ?』
佐々木くんは一見、チャラそうに見えてしっかりしている。
そう言った口調も、お兄さんみたいだった。
『『だってコイツが!!!!』』
なぜか、ハモってしまった。
最悪。
『『なんで真似すんだ─…』』
二度目のハモり。
しかも口を閉じた時も同じ。
お互いに睨み合う。
『なんだ、仲良しじゃん?』
佐々木くんがクスクスと笑った。
恵も隣で笑っている。
『もう、俺…帰るっ』
『ええ!?待てよ、海斗~』
藤井くんと高橋くんは階段に向かって歩いて行った。
『あいつら、俺を置いてきやがって…っ』
残された佐々木くんが、二人を見ながら呟く。
『本当に置いてかれちゃうよ?』
遠のく二人の姿を見ながら、恵が言った。
『ああ、じゃあ行くわ!!またね!恵ちゃん、白純美ちゃん』
廊下を駆けていく佐々木くんの姿を見る恵の顔は、真っ赤だった。
恋、してるな…と思った。