咲いても、枯れても1~サクラ色~
『あの…』
『はい?』
頼稜さんが、言いにくそうに言葉を落とす。
急に、胸に不安が巣食う。
『恐らく、拓様は御両親に、白純美様のお話を…』
『私の?』
急に、怖くなる。
不安が、さっきよりも倍以上に増す。
私を、拓よりも身分の低い私を、拓の御両親はどう捉えたらのかしら。
きっと、良いとは思わない。
メイドさんも、秀介くんも、頼稜さんでさえ、初めに会ったときは、私に良い印象を持たなかった。
なぜこんな人と?、そんな顔をした。
ましてや、拓の御両親。
こんな私をどう思うかは、目に見えている。