咲いても、枯れても1~サクラ色~
『さくら?』
はっとすると、既に拓が部屋に戻って来ていた。
また、ぼっとしていたわね。
見られてしまったかしら?
『は、早かったわね』
『明日会いたいと言って来ただけだからな。それより……』
『それより?』
私もそれより、聞きたいことがあるのよ!!
早く聞きたくて、少し急かしてしまう。
『また、ぼっとしてただろ?』
うう…、見られたのね。
気をつけるって言ったのに、全然、直ってないわね。
どんな表情をしているのか、声色だけでは分からなかったから、チラッと上目遣いをする。