咲いても、枯れても1~サクラ色~




『さくら?』




はっとすると、既に拓が部屋に戻って来ていた。





また、ぼっとしていたわね。




見られてしまったかしら?




『は、早かったわね』



『明日会いたいと言って来ただけだからな。それより……』




『それより?』





私もそれより、聞きたいことがあるのよ!!



早く聞きたくて、少し急かしてしまう。





『また、ぼっとしてただろ?』




うう…、見られたのね。


気をつけるって言ったのに、全然、直ってないわね。




どんな表情をしているのか、声色だけでは分からなかったから、チラッと上目遣いをする。




< 156 / 279 >

この作品をシェア

pagetop