咲いても、枯れても1~サクラ色~
『恵?!なんであんなこと言うのよ!!』
私はすぐに恵に食って掛かった。
なんで…
初日から周りからの私の第一印象ぶち壊しにした、あんなやつと帰んなきゃなんないのよ……。
『なんで、って…お互いのためじゃん?意外と早く見つかるもんだね!!彼氏っ』
一瞬、思考回路が停止した。
恵は気にせず笑う。
え、ええっ、えええ!?
『ちょ、恵?何言ってんのよ』
『だからあ~!うちは直也くんと、白純美は海斗くん、さらに仲良くなるチャンスだよっ』
満面の笑みの恵を見て、寒気がした。
私が…藤井くんと……?
さらに仲良く…?
『恵』
『ん?』
『勘違いし過ぎだよ』
『どういうこと?』
『私、アイツなんか好きじゃない…むしろ嫌い。大っ嫌い!!』
それを聞いた恵は驚きもせず、ただにんまりと笑った。
いかにも、そんなことわかってるよ、と言わんばかりの顔で。
そして私の肩を叩いた。
『恋って、こういう始まり方もあるんだよ』