咲いても、枯れても1~サクラ色~



『ん…おはよう、拓』




バレないように素早く、拓の服を掴んでいた手を離す。


……恥ずかしいから。



『おはよう。何を笑ってるんだ?』




拓は不思議そうに、私を見つめる。


その瞬間、さっきの言葉を思い出して赤くなる。



“白純美の全てを欲しい”





『さくらは、朝からこんなに面白いのか?これから毎日楽しみだな』



『面白いって…そんなことないわよ。むしろ、朝はだいたい機嫌悪いわよ?』




寝起きがとても悪いから。



なんで朝が来てしまったの?


とか、一人で眠くてイライラしているのが、普通。




今日は、何故か気持ち良く目覚めたけれど。




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