咲いても、枯れても1~サクラ色~



『さくら?とりあえず、朝食にしよう』




朝ごはん、気が重いわ。


きっと、昨日みたいなメイドさんがいっぱい居て、秀介くんとかも居て、西条家の父母が居て……。



大富豪の朝御飯って、そういうイメージしかない。




……って、もうそこで、既にご対面出来るじゃない?!





『朝食、もう食べれるか?』



『う、うん』




まさか、嫌だとは言えないし。


もしかすると、これから毎日な訳だし─…





『じゃあ、食事を持って来てもらうか』




へ?




『頼稜』



『はい。朝御飯でございますね?』



『うん。さくらの分も一緒に頼む』



『承知しております。しばらくお待ち下さい』




風のように、どこからか現れて、また部屋を後にする。



さすが拓の付き人、頼稜さんだわ。




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