咲いても、枯れても1~サクラ色~
『ねえ。自分の部屋で食事するの?』
あの、私のイメージは何?
『そうだよ。西条家は、皆で食事とかしないんだ。たまに、秀介とか来るけどな』
みんなで食べないんだ。
私も、両親となんか滅多に食べないけれど。
いつも一人で、作り置きのご飯を温めて食べてたから。
そっちのが、楽だわ。
───その後に、5分もしないうちに、朝御飯が運ばれて来た。
初めはその豪華さに圧倒されて、ただ料理を見つめてた。
食べたことのない料理ばかり。
食べられるのかしら?とか思うものが、大半を占める。
『これ、食べられるの?』
『食べられるよ』
このやり取りを、何度も何度も繰り返した。
慣れる日が来るのかしら……。
それでも食べられるか疑いながら、少しずつ口に運ぶ。
味は、とてつもなく美味しいのだけれど。
そんな私を見て、拓と頼稜さんはクスクスと楽しそうに笑っていた。