咲いても、枯れても1~サクラ色~
『た、たた拓っ!!!!』
『なんだ?』
『ちょっと、これって…!!!!』
ようやく朝御飯も済み、一旦休憩と思っていた。
そしたら、いきなり現れた二人のメイドさんに、
「白純美様!!こちらへ!!」
なんて言われて、別の部屋に連れて行かれ……。
気付くと、私は“お姫様”だった。
『その姿、とても似合ってるよ。さくら』
『本物の姫様のようでございますよ。桜のように華やかです』
二人は楽しそうに、私を上から下まで何度も眺めている。
そんな褒め言葉、嘘にしか聞こえないわよ……!!
さっきまで制服だったのに、いきなり、着たこともないドレスを着せられて、違和感ありすぎよ。
桃系統の色で、袖と裾に白のレース。
デザインは、私の“お姫様”のイメージよりも、大分良くて、お洒落だった。
今時なデザイン、だと思う。
更に、頭に大きな赤いリボンを付けられてしまった。
こんな格好、今まで一度たりともしたことないわよ。