咲いても、枯れても1~サクラ色~
『思っていたより、面白い方なのね。さすが拓だわ。これから楽しみね』
明仁さんの隣で優美に微笑むのは、拓のお母様で、明仁さんの奥様の雅さん。
─────みやび。
その字の通り、上品で優美。
雅さんの周りには、真っ白な百合の花が咲き誇るような。
それくらい繊細で、柔らかくて、口調もゆったりしている方。
同性でも、思わず見とれてしまう程の容姿、オーラを纏う。
『白純美?』
隣に座る拓に声をかけられ、夢から覚めたようにはっとする。
『また、私に見とれていたのかな?可愛いらしいな、白純美さんは』
『明仁さん、何を言ってるんですか。白純美さんは拓のものでしょう?手を出してはいけませんよ』
『父上も母上も!!何をさっきから…!!!!』
『あはは……』
─────悠長。
頼稜さんから聞いていた通り、確かに悠長だけれど。
のんびりと、なんとなく二人のペースに乗せられてる気がするわ。