咲いても、枯れても1~サクラ色~
『白純美様は、拓様の婚約者ですよね?』
『あ、まあ』
そっか、婚約者なのね。
拓のそんな存在に成れたことを改めて知り、喜びが溢れる。
『では、あなた様も、私たちの大切なお方です。敬うのは当たり前ですよ』
未菜ちゃんは、ニッコリと微笑んだ。
拓の婚約者、だから。
同じ目線で接することなんて、出来ないのね。
なんだか寂しいけれど、明仁さんの言葉を思い出す。
“自由が利かなくなる”
そういう意味だったわ。
もう既に、始まっている。
西条の人間としての生活は。