咲いても、枯れても1~サクラ色~



『しゅ、秀介くん……』





風になびく、綺麗な銀の髪。



きりっとした目尻に、長いまつ毛。




申し分無しの美少年が、睨みを効かせて私を見ていた。




鋭い銀の視線よりも、その容姿に見惚れてしまう。





『なんだ、お前か』




突き放すような、冷たい声。



やっぱり嫌われているのね、と落胆する。




けれど元々ここに来たのは、秀介に会うため。



簡単に挫けてはいけない、と心に言い聞かせる。





『ねえ、秀介くん』



『何』




無視をしないでくれることが、唯一の救いだった。



私は立ち上がって、秀介くんと同じくらいの目線になる。




やっぱり、私よりちょっと小さいくらい。





すると、秀介くんは更に不機嫌そうに言葉を投げ掛けた。




< 203 / 279 >

この作品をシェア

pagetop