咲いても、枯れても1~サクラ色~
『お前、本当に変な奴だね。なんで兄さまはこんな奴……』
秀介くんは、語尾を濁らせて、新たに言葉を放った。
『俺は、あんたなんか認めないからね』
刀のように、心に突き刺さる。
秀介くんが纏う、冷たい銀が、更に鋭さを増す。
“あんたなんか認めない”
拒絶、されてしまった。
私はこんなことで諦めるような、弱い女じゃないけれど。
突き刺さった刀を抜いて、また我に戻る。
『さっきから、あんた、あんたってねえ……』
『な、なんだよ』
私が纏うオーラは、赤。
けれどこの赤は、拓に対するような愛情の赤ではなく、怒りの、赤。
『私の名前は、“お前”でも、“あんた”でも無いわよ!!!!!!成宮白純美っていう、ちゃんとした名前があるのよ!!!!』
気付くと、叫んでいた。