咲いても、枯れても1~サクラ色~
秀介くんは口をぽかんと開けて、びっくりしていた。
どうしよう。
大富豪の息子に対して、かなりの口を利いてしまった。
けれど、後悔してももう遅い。
秀介くんは、また鋭い銀を纏って、口を開く。
『わ、分かったよ。名前で呼べばいいんだろ?』
『あんた、とかお前、じゃなければ、何でも良いわよ』
拓が、私を“さくら”と呼ぶように。
秀介くんはしばらく黙って、また私を瞳に映した。
『よく考えると、白純美って変な名前だな』
そう言って、ケラケラと笑ってきた。
何を考えてたかと思ったら、そんなことを……!!!!
また怒ろうと思って、口を開くと、その前に秀介くんが言葉を落とした。