咲いても、枯れても1~サクラ色~



秀介くんは口をぽかんと開けて、びっくりしていた。





どうしよう。



大富豪の息子に対して、かなりの口を利いてしまった。




けれど、後悔してももう遅い。





秀介くんは、また鋭い銀を纏って、口を開く。




『わ、分かったよ。名前で呼べばいいんだろ?』



『あんた、とかお前、じゃなければ、何でも良いわよ』





拓が、私を“さくら”と呼ぶように。



秀介くんはしばらく黙って、また私を瞳に映した。





『よく考えると、白純美って変な名前だな』




そう言って、ケラケラと笑ってきた。





何を考えてたかと思ったら、そんなことを……!!!!



また怒ろうと思って、口を開くと、その前に秀介くんが言葉を落とした。




< 206 / 279 >

この作品をシェア

pagetop