咲いても、枯れても1~サクラ色~
『スミ』
『はい?』
─────スミ。
突然頭に浮かぶカタカナに、眉を歪めた。
『スミ。お前の名前、スミでいいよ』
突拍子もなく、勝手に決められた名前に、唖然とする。
そんな私を見て、秀介くんは満足気に笑った。
『スミ、これでいいだろう?』
気付けば、秀介くんはさっきから柔らかく笑う。
まだ刺々した、針みたいな銀は纏ってるけど。
昨日、拓に見せたような楽しそうな笑顔を、ちょっと見せてくれた。
突然、嬉しくてたまらなくなって、秀介くんを見つめる。
きっと、ニヤニヤしているでしょうけど。