咲いても、枯れても1~サクラ色~
『何だよ、お前。なんか気持ち悪いな』
『あ、お前って言った~』
『え?あ、わ、悪い?!全く、スミ、もうこれで良いんでしょ?!』
見たこともない、慌てる秀介くんに思わず笑みがこぼれる。
もっと、仲良く成りたいと思った。
『ねえ、秀介くん』
『何だよ』
『私も、あだ名付けたい』
『は?』
もっと仲良く成りたいもの。
さくら、スミ。
私以外の人にも、付けたい。
私しか呼ばないように、特別なあだ名を。
といっても、良いあだ名なんてすぐには思い浮かばなくて。
『秀くん。これでいい?』
結局、誰でも呼びそうな、有りがちなあだ名になった。