咲いても、枯れても1~サクラ色~




『何も怒ってない』




その声が、不機嫌だって言うのよ。




それなのに、拓は黙って両手を広げ、私を抱き寄せた。




行動が全く読めないわ。






『温かいわね』




二人で入る布団の中は、拓の腕の中は、とても温かい。




私の頬を優しく撫でるその手を掴んで、熱をもらう。




微笑んでから、拓の顔を見つめると、拓も嬉しそうに微笑んでくれた。




貴方の傍が、私の居場所よ。





目が合うと、私の唇に甘いキスをくれる。





愛しい、そんな拓の気持ちが胸いっぱいになるまで、伝わってくる。




どうしてこんなにも好きなのかしら?




何度重ねてもまだ足りない、と言うように、キスを落としては私の身体を撫でる。




好きだ、と身体中で叫ばれている。



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