咲いても、枯れても1~サクラ色~
けれど、時折どうしようもないくらい不安そうな顔を浮かべるから、私も心配になる。
貴方は堂々としてればいいのよ?と、心の中で呟く。
『さくら』
耳元で囁かれる。
その呼び名で、改めて目の前にいる大好きな人が“貴方”だと知る。
『俺だけのものに成って』
その声が、貴方らしくないくらい震えていて。
どうしようもない不安の色に、呑み込まれていた。
その不安を拭ってあげたいと、心の底から思う。
私の何かで。
『拓……』
『白純美』
その名を呼ばれる。
夢うつつだった瞳を、思い切り見張る。