咲いても、枯れても1~サクラ色~
────あれから、一週間。
今私は、何もない広い部屋を見てただ呆然としていた。
『さくら、どうした?気に入らないか?』
『では、別の部屋をご用意いたしましょう』
『い、いや。全然いいのよ、ここで。でも────』
『でも?』
拓と頼稜さんが、私の部屋を用意してくれた。
要らない、と言ったけれど、西条家に住むなら、これ以上拓の部屋にお世話になれないし。
「希望は?」
と聞かれたから、拓の部屋の傍にしてもらった。
玄関から入って、長い廊下を歩いて、拓の部屋の一個手前。
そして、お庭に出れるガラス戸もあったから。
けれど、呆然としてしまう。