咲いても、枯れても1~サクラ色~
まだ理解出来ない私を見て、未菜ちゃんが言葉を継ぐ。
『白純美様のイメージというものが、こういう系統なのです。その服もとてもお似合いですよ』
今日は、いつもより少しシンプル。
チェックのワンピースに、ふわふわの上着。
もちろん、色はピンクと白なんだけれど。
『イメージねえ……』
そんなお姫様じゃないのに。
お家で“ごきげんよう”なんて、大人しく言ってる柄じゃないわ。
秀くんが居た、あの白詰草の草原を走っていた方が幸せ。
何より、楽しいわ。
そんなことを考えてるのを見透かしたのか、拓はふふ、と笑って口を開いた。
『さくらは、自由にして良いんだからな?家に閉じ籠って、お嬢様やらなくていいから』